オークの世界観を語る布は、インドが主な生産地。
手織りの「カディ」と小さな工場で日々コツコツと作り上げられる「プリントファブリック」。それぞれにかすれやにじみ、色の濃淡が異なり、人間らしいぬくもりといとおしさにあふれた1枚に仕立てられます。
カディはインドに昔から伝わる伝統技法。生糸を紡ぎ、巻き取り、織る・・・と多くを手作業で行います。1メートルの糸を紡ぐだけで1日もかかるほど。
手で引くカディの糸は、機械では出しえないほどとても細かく繊細です。生地に触れると、その軽さにきっと驚くはず。
伝統的なプリント技法もまた、自然のエネルギーとひと続き。洗いに掛けられた布は天日干しに。天候にも左右され、タンブラー乾燥よりも手間はかかりますが、日光に当てることで色鮮やかに発色します。
色の境界線の柔らかいにじみはどこか優しく、均一でないわずかなズレは、機械ではでは決して表現できない独特の面白さが。布はまさに作り手の、磨かれた技と思いを届けるメッセンジャー。インドの伝統手法の生地作りにこだわる理由は、そんな表現豊かなテキスタイルを求めているから。1枚として同じものがないハンドメイドの布に触れれば、インドから始まる、遥かなストーリーを感じるはずです。